プロローグ
2021年12月某日
天界にて、神さまは頭を悩ましていた。
昨年から人間界が混乱している。死者も増えているから、このまま増え続けると天界がいっぱいになってしまう。。。どうしたらよいだろうか。。。
神さまは、悩みに悩んである決断をした。
そして、2021年の干支である牛のウシシマくんを呼んだ。
神さま、どうなさいましたか?ウシ、今年の締め作業が残ってますが。
ウシシマよ。忙しいとこすまない。今年は本当に干支として活躍してくれた。しかしな、今年の日本では多くの人々が混乱していて、年明けだというのに重苦しい空気が漂っておるのだよ。わかるだろ?
そうですね。やたらみんなマスクつけてますし、価値観が大きく変わった気がしますね。その変化に多くの人がついていけてないと思います。
その通り!さすが昔から人間の生活に寄り添って生きてきただけあって、的確に捉えているな。やはりお前を選んだのは間違ってなかった!よし、ウシシマよ。お前は年が明けたら、日本に行き人々を良い方向に導く活動をしてくるのじゃ。
えぇ~。年明けって、すぐじゃないですか!?しかも人間界に行って、導くとか・・・ウシ、人見知りですよ!
文句を言いたくなるのもわかるが、このままでは天界でも緊急事態宣言になりかねん。力を貸して欲しいのじゃ。それに人見知りであることと、人々を導くことは別問題じゃ。長年ワシのサポートをしてきたお前にしか出来ないと思っておる!受けてもらえんかのう?
ウシシマくんは深い呼吸をした後に決意した顔で答えた。
かしこまりました!人間界へ行きましょう。ただ1つ、ひとりでは心細いというか、ちょっと寂しいですが、、、
ありがとう。助かるのう。そういうだろうと思って相棒を準備している。フクロウおいで。
神さまの呼びかけと同時に1羽のフクロウがやって来た。
フクロウはウシシマくんの肩にパッと止まった。
このフクロウは優秀だからきっと役に立つはずじゃ。相棒として仲良くやってくれ。それと、人々を導く為に、特定の人間にだけお前たちの姿が見え、お前たちと会話が出来る力を授ける。全てお前たちの意思でコントロール出来る。悪用しないように!
ウシシマくんとフクロウは顔見合わせてにっこり笑った。
ウシの名前はウシシマ。キミの名前は?
ウシシマ。ウッシーか!よろしく。俺はフクロウのユージン。
ユージン、これからよろしくね。
こうして、ウシシマくんとユージンは2022年1月1日に人間界(日本)に降り立った。
ウシシマくんとユージンは果たして日本にいる人々を明るく出来るのか。
ウシシマくんとユージンの軌跡を見守って欲しい。